I am 〜わたしの生き方〜

患者になってわかったこと、日常での気づきなど

夏至の振り返り

昨年の夏至は、オパのセラピストになるための講座受講で佐賀県唐津にいた。

体調は非常に悪く、もう固形物は何も食べられず、ずっと座り続けていることも困難な状態だったが、人気の講座で何ヶ月も前から決まっていたし、体調不良は事前に知らせていたが受け入れてもらえたし、「唐津には絶対に行く」と自分の中で決めていたところもあった。

 

講座の1日目終了後の就寝中、記憶にある中で最も怖い夢を見た。

 

何人かの知り合い達が野外で和気あいあいとしている。

私も同じ場所にいるが誰とも喋っていない。

そのうちみんなが1人、2人とどこかに行ってしまい、自分が最後の1人になってしまう。

みんながどこに行ったのかわからない。

突然、不安と恐怖が押し寄せる。

そこへ冷たい風と共に黒い魔物のような存在が現れ、逃げても追いかけてくる。

恐ろしくてたまらない。

途中でこれは夢だと思い、起きようとするが布団の上に何かが重く覆いかぶさっているようで身動きができない。

ついには、隣で寝ている同室の友人の名を大声で呼び、その自分の声で本当に目が覚めた…

 

とてもリアルに恐怖を感じた夢だった。

 

夢の中で私は、周りに人がいても自分は1人で、誰も頼ることも相談することもできず、どうしたらいいのかわからないことが、追いかけられるより前に不安でたまらなかった。

その不安や恐怖が形となり、恐ろしい魔物となって襲ってきたような気がする。

 

自分は1人だということ、孤独感は子供の頃から強く持っていた。

5人家族で父と母はペア、一卵性の双子の妹達は言うまでもない。そして、私だけが1人。

学校でも大人しい一匹オオカミタイプ。

特に寂しいわけでもなく、そんなものだと思っていたし、1人を持て余すこともそれほどなかった。

結婚して、そんなことを考えることはなくなったが、自分が1人である感覚がなくなったわけではなく、むしろ強まっていた。

今でも誰にも邪魔されない1人の時間は安らぎを感じるし、全くないと辛い。

 

大人になるほどに孤独感は薄れ、1人を楽しむ行動へと変化していったが、まだ何をどうしていいかわからず心細かった子供の頃の不安や恐怖は、自分の中の奥の方にしまいこんでいて、ずっとあったのかもしれない。

 

怖い夢は、何らかの浄化作用により顕在化し解放するときに見ることがあると聞いたことがある。

無意識に持ち続けていた恐れの感情は、あの夢をきっかけに私の中から浮上し、ついには手放すことができたのだろうか。

 

あの夢の後、私は意識不明で寝たきりになったが、嫌がって避けていた透析を急にすることになっても、呼吸が苦しくても、全身の皮膚や爪が剥がれ髪が抜け落ちても、何ヶ月も不自由で動けない体のままでも、落ち込むことも鬱々とすることもなく、弱りきった身体とは裏腹に、精神は健全でエネルギーに満ちていた。

 

それはすでに、不安や恐怖を大きく手放していたから、と言えるかもしれない。

 

最も長いときを明るく照らす夏至の強い光が、私の中の暗がりだった場所にも届いて照らし、日に晒し昇華してくれた…

今、思い返してみると、そんな解釈になる。

 

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正解なんてわからないから、そう思っておこう。

 

これからも私の中に滞る私ではないものを見つけては手放す、それを意識して繰り返し続けるのだ。

より元気な体に戻るためにも。

 

このときの経験から、不測の事態が起こったとき「わからないけど何とかなる」とは、以前より明確に言えるようになった気がする。