ドルフィン・マン / ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ
ジャック・マイヨールのファンは必見‼︎
亡くなって丸18年、誰よりもイルカとお友達で、人懐こいキャラのジャックをまた見ることができて、自分自身のかつての海やイルカにまつわる思い出ともリンクして、懐かしさと同時に、くすぐったいような嬉しさも感じつつ、公開日翌日に鑑賞。
「ドルフィン・マン 」はドキュメンタリーなので、かつての映画「グラン・ブルー」をイメージしてしまうと、その雰囲気の違いに戸惑うかもしれない。
リュック・ベッソン監督の創り上げた世界は、美しく独創的で惹きこまれる素晴らしい作品だとあらためて思ったし、また見たくなった。
今回の映画は、過去の映像や関わってきた人々からジャックの人生が浮き彫りになっていくものだっただけに、グラン・ブルーで有名になった彼の最後が自死であることも含め、いろいろ考えさせられた。
監督の言葉に「フリーダイバーは真の思想者だ。水深150mの暗闇の中にいるためには、思想者にならざるをえない。」と書いてあった。
私の解釈だと、「思想者」と言うより「瞑想者」と言うのがしっくりくる。
可能な限り思考を停止させ、意識が覚醒することだけが、生身の人間が、この世とそれ以外の境界のない場所へと辿り着き、また戻って来れる唯一の手段なのではないかと。
スキューバダイビングで垣間見るだけでも、言葉にならないほどの神聖さを感じる、荘厳で静謐な深い青の世界。
自らの一呼吸のみで何も持たず、より深海へ…
身震いするほどの魅力を感じずにはいられない。
10代か20代に出会っていたら、私もフリーダイビングにチャレンジしていたかもしれない。
誰もやったことのない、死と隣り合わせの冒険、自己探求の旅は生きる醍醐味。
自由に生き、孤独に死んでいったジャックの人生を見せてもらった。
見終わってスッキリする映画ではなく、むしろ自問自答が始まる。
ふと、海の中でイルカと目が合ったときに受け取った感覚が鮮明に蘇った。
「これからどう生きる?」
問いかけと同時に起こる安心感‼︎
時が止まり、イルカと私だけが海の空間に漂う瞬間‼︎
海の中でイルカに出会うときは必ず、私の人生の大きな転機と一致していた。
名古屋では、ミッドランドスクエアシネマ2にて15時〜の上映のみ、12/12まで。
もう一回、1人で観てみたい…